初めに
住宅の外壁塗装の費用、金額はいくらくらいが適正なのか？とても気になると思います。
外壁塗装はテレビなどの商品とは違い、製品を買っていただく訳ではないので定価のようなものはありません。あなたの家に足場を組んで、高圧洗浄して、シーリングなどの下地処理を行い、塗料のシーラーやプライマーの下塗り、中塗り、上塗りを行います
そして、外壁以外の破風板塗装、鼻隠し塗装、軒樋、竪樋の雨樋塗装、シャッターボックス塗装、雨戸塗装、戸箱（戸袋）塗装、水切り塗装、雨抑え水切り塗装、基礎巾木塗装などの付帯部塗装を行います。
またベランダ防水なども同時に行うことが多いです。
外壁塗装で損をしないように外壁塗装の相場を知っておくのは非常に重要になります。2021年から原油と輸送費なのの値上がりで塗料やシンナー類の値上げが続いていますので、今回は2022年の外壁塗装の相場を知るための必要な知識をお知らせします。
外壁塗装にかかる費用
外壁塗装は塗料代、足場費、メッシュシート、作業する職人の人件費、ローラーなどの副資材費、車のガソリンなどの経費、会社の利益が大体の内訳になります。
足場の設置
足場の面積は住宅の外壁からプラス100センチくらい離た場所に立てて、高さも屋根の高さより少し高い位置に立てて周囲の建物に飛散しないようメッシュシートを取り付けるため、外壁面積より多くなります。最近はスチール製のくさび式足場で組むのが主流になっていて、2階建て住宅の足場の適性金額は平米500円から700円くらいで、メッシュシートは平米100円から150円が相場です。
関東では単管で足場を組んで木の道板を通すこともよく見かけます、昔の住宅足場は丸太と番線でおこなっていて、私の若い頃は丸太で自分達で組んでいました。
また建築屋さんなどは本足場（枠組み足場）で足場を設置することがあります。本足場はくさび式足場より高額になります。
屋根が急勾配で職人が立って作業できない場合は屋根足場も必要になります。
足場は外壁塗装が終わればなくなるものですので、何かもったいないと思われることがありますが、作業員の安全のためと作業をスムーズに進めるためには重要な工事です。
その大切な足場を「キャンペーン中で、足場代無料です」という業者がいますが、その費用を全体の金額に含めてごまかそうとすることがあるため注意してください、無料はありえません。
外壁塗装
外壁の面積は外壁全体から窓などの塗らない部分を引いて算出するのが一般的ですが建坪でいくらという会社もあるため比較する場合は分かりにくくなってしまいます。
最近は塗料の種類によって何種類かの見積りを出す塗装業者がいます。ウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン塗料、フッ素樹脂塗料、無機塗料が多いですが、外壁を守る耐久年数により単価が変わってきます。
現在、外壁塗装の仕上げ塗料の主流であるアクリルシリコンは一斗缶（メーカーにより内容量が違う）で9000円から35,000円ほどの種類があります。
フッ素樹脂塗料は一斗缶、一缶で30,000円から90,000円
無機塗料は一缶で40,000から120,000円これだけの開きが各メーカーの塗料にあります。水性塗料、弱溶剤塗料、強溶剤塗料それぞれの種類もふくまれているため価格差があります。
一斗缶（15kg〜18kg）で2回塗りですと一缶で約50平米くらいの使用が目安ですので3万円の塗料を100平米塗るのに2缶使うため、塗料費は6万円になります、9万円の塗料ですと18万円になります、塗料代だけで3倍の12万円違うためただフッ素樹脂塗料２回塗りと見積りに書いてあっても同じ仕様の見積りとは言えません。
岐阜県の住宅の建坪は35坪から40坪くらいが多く、外壁の面積は150平米から180平米くらいになる住宅が多くなっていますから外壁を仕上げる塗料は3缶から4缶を使うのが普通です、最安アクリルシリコン塗料の9千円を3缶使うと27,000円の塗料代、最高の無機塗料の12万円を3缶使うと360,000円の塗料代、これだけの開きがでてきますから外壁塗装の塗料の種類を確認するのも重要です。
また、遮熱塗料や光触媒塗料、汚れの付きにくい撥水塗料など機能性に特化した塗料によっても単価が変わりますし、塗料メーカーによっても樹脂などの含有量と顔料の良し悪しで塗料を購入する金額が変わります。
| 塗料の種類 | 劣化が始まる年数 | 150平米の外壁塗装金額 |
| アクリルシリコン塗料 | 8年 | 300,000〜350,000円 |
| フッ素樹脂塗料 | 12年 | 450,000円〜530,000円 |
| 無機塗料 | 15年 | 500,000円〜600,000円 |
| ガイナ塗料 | 8年 | 480,000円〜 |
シーリング
窯業系サイディングの外壁ですと、目地のシーリング打ち替えと窓周りのシーリングが必要になります。サイディングの種類にもよりますが岐阜の建物の35坪くらいの大きさで、目地シーリングは100mくらいで窓周りが110mくらいになるのが多いです。シーリングも変成シリコンとオートンイクシードなどのウレタン系が主流で、m/800円から1200円くらいが基本相場になります。増し打ちの場合は少し単価が落ちて安くなります。
モルタル外壁などはひび割れがあれば「VカットやUカット」を行い、シーリングで埋めてひび割れの再発を防いでから元の外壁仕上げのパターンに戻してから仕上げの塗装を行うため、その下地補修費が追加されます。複層材吹きつけ（吹き付けタイル）、リシン吹きつけなど。
外壁などの高圧洗浄費
外壁の高圧洗浄費は平米150円から300円くらいが基本になり、外壁の状態や藻カビの多さ凸凹具合によっても単価が変わってきます。同時に軒天上や雨戸、ベランダ、バルコニーの床なども高圧洗浄を行います。
職人の人件費
外壁塗装の岐阜の人件費の相場は1日、12,000円から25,000円くらいになります。会社も塗装職人に給料を支払いますのでこの人件費、塗装職人費用が一番大きなウエートを占めています。
一般的な大きさの住宅で20人工から30人工が必要になるため1万2千円の職人が20人工ですと￥240,000必要になります。
副資材の費用
副資材費は使い捨てのローラー、窓などを養生するマスカー、テープなどの消耗品です。
養生費を見積りに加える塗装業者もありますし、塗装代金に含んでいる業者がありますので詳しく見比べる必要があります。
経費
経費は車のガソリン代、駐車場がない場合はコインパーキング費用などが一般的ですが何十万円もする諸経費は住宅塗装の諸経費にしては高額ですので、気になる場合は施工会社に内容を聞いた方が良いでしょう。現場管理費、一般管理費が追加される場合もあります。一般的には塗装費総額の3％から5％が適性価格になります。
法定福利費
塗装会社は職人を雇用すると、社会保険と労働保険の加入が義務づけられます。社会保険は健康保険や厚生年金保険、介護保険などで。労働保険は、雇用保険や労災保険で。この保険料は、会社と職人と一定の割合で負担しています、この法定福利費を経費として見積書に含んでいます。また法定福利費そのものを見積書に書いている会社もあります。
相見積り
たまに、相見積りで塗装見積りの単価を消して「この仕様で見積りしてください」ということがあります。その場合も塗り回数と塗料メーカーの塗料名称も同じにして見積りを提出するのですが、どうしてもおかしい仕様がある場合は特記として加えます。あまり多くの塗装工事店に見積りをもらうと混乱してしまいますので、3社くらいが良いでしょう。
支払い方法
外壁塗装の支払い方法は現金払い、まだ少ないのですがクレジットカード払い、ローン払いなどがあります。
現金払いには、一括塗装後払い、2回払い、3回払い、塗装前一括払いがあります。一括塗装後払いは、外壁塗装後に足場も解体して全て完了後に1回で支払いを行いますので塗装に満足できなければ塗装店に満足するまで施工してもらった後に支払うので安心できます。
2回払いは、契約後か足場を組み立てた後に1回目を支払い、塗装完了後に2回目を支払います、1回目の金額は20から30％が多く、70、80パーセントを塗装後に支払います。また塗装前に50％塗装後に50％の支払いという塗装業者やリフォーム店もあります。塗装会社により高額でなければ塗装後一括払いが基本でも500万円以上は2回払いにすることもあり、工期が長くかかる塗装工事になることがあれば2回払いをする業者もあります。
3回払いは塗装前、塗装中、塗装完成後の3回に分けて支払うことで、高額な住宅新築工事などではよくありますが、塗装工事ではあまり行われません。
塗装前一括払いは、文字通り塗装を行う前に一括で支払うことです。塗装を行う前に総額を支払ってしまうと適当な塗装をされても逃げられてしまう可能性があります、また塗装工事を行うことなく逃げることがあるため、おすすめできない支払い方法です。実際に起きています。
結局、外壁塗装の総額はいくらかかるのか？
最後に岐阜の住宅外壁塗装の総費用は屋根塗装なしで、足場、メッシュシート、高圧洗浄、シーリング、外壁下塗り、外壁中塗り、外壁上塗り、破風板、鼻隠し、雨樋、水切りを含んで塗料の種類にもよりますが
アクリルシリコンで90万円から無機塗料で150万円くらいまでが適正価格になります（屋根塗装はなし）
【記事監修】岐阜県各務原市で現役塗装職人暦34年の 有限会社大野塗装。大野雅司
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