中東情勢の悪化はまず 原油・ナフサ由来原料、溶剤、物流、エネルギー費 に効き、その後に 塗料メーカーの値上げ 、塗装店の見積上昇 という順で波及しやすくなっています。
日本は原油輸入の9割超を中東に依存しているため、ホルムズ海峡や周辺海域の緊張は、外壁塗装向けの塗料・シンナー価格にとって無関係ではありません。
外壁塗装で特に影響を受けやすいのは、溶剤系塗料・シンナー・樹脂原料です。理由は、これらが石油化学原料やエネルギー価格の影響を受けやすいからです。
実際、大手塗料メーカーは2025年に、原料価格の高止まり、世界的なエネルギー価格高騰、人手不足・人件費上昇を理由に、塗料・シンナーを5~20%改定すると公表しています。
建築塗材でも、2025年に原材料と副資材の高騰を理由に価格改定を発表しています。つまり、すでに日本国内でも「原料高を吸収しきれず価格改定する」流れは現実化しています。
また、塗料シンナーやトルエンが手に入りにくくなっており、シンナー類はメーカーが40%以上の値上げも行っています、今後はウレタンシンナーやラッカーシンナーも手に入らなくなりそうです。
メーカーの設計価格表では、塗料価格は「材工共」の目安で示される一方、足場代、養生費、下地調整代、諸経費などが含まれていないケースがあります。
塗料マーカーの設計価格表は、足場代や養生費などを含まないので塗料やシンナーが上がっても、住宅の外壁塗装の総見積では“その一部だけが上がる”というのが基本です。
逆に言うと、施主が体感する値上がりは、「塗料価格上昇」単独よりも、足場・人件費・物流費上昇が重なったときに大きくなります。
国交省の月例資料では、2025年8月の建設工事費デフレーターが前年同月比で上昇しており、建築コスト全体がまだ高止まりしていることが確認できます。
日本塗料工業会の2025年度需要予測でも、人手不足や資材価格高騰の継続、材料価格上昇の継続が言及されています。つまり、外壁塗装の見積は「塗料代だけ」ではなく、建設コスト全体の高止まりの中で押し上げられやすい状況です。
中東情勢がさらに悪化した場合は、まずシンナーや溶剤系原料で値動きが出やすく、その後にメーカー改定、さらに塗装店の見積反映という順番になりやすいです。
中東情勢が落ち着いた場合でも、すぐに外壁塗装価格が大きく下がるとは限りません。すでに日本国内では、エネルギー、人件費、物流、資材の複合コスト上昇が進んでおり、メーカーも価格改定を実施済みだからです。したがって、2026年の日本の外壁塗装価格は、高止まりの中でじわじわ動くと思います。
実際に外壁塗装を検討するなら、ポイントは3つです。
1つ目は、塗料メーカーの価格改定発表。
2つ目は、見積書で塗装費・足場・下地補修・シーリング・防水工事が分かれているか。
3つ目は、水性か弱溶剤か、仕様変更で価格変動リスクを抑えられるか。
特に、溶剤依存が強い仕様ほど中東由来の原油・化学原料影響を受けやすい、という見方はかなり妥当です。日本が中東原油への依存度が高いこと、そして国内メーカーが現に塗料・シンナー改定を出していることが、その根拠です。
水性塗料も水で希釈できるだけで、さまざまな石油製品を含んでいるので影響を受けないわけはありませんから水性塗料の値上げも起きそうです。